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石鹸の材料 【アルカリ】

石鹸のはなし  → 目次

石鹸の材料  【アルカリ】


石鹸は、苛性ソーダ無しにはありえません

しかし

出来上がった石鹸には、苛性ソーダは一切 含まれてはなりません



これは、せっけん作りの鉄則です

石鹸を作ってみたい、そう思っている全てのソーパー志願の人達が
輝かしいキャリアを歩み始める前に学ばなくてはいけない、約束事です。


石鹸は苛性ソーダを使わなくても作れる、という信仰は
「ソーダを含有しません」「アルカリを含有しません」と銘打った
石鹸を製造している企業に支えられ、広められたものです。

ほとんどは、消費者に新しい「必要性」を感じさせ「背中を押して」
購入させるための、単純な販売目的の方便に過ぎません。

「saponi non saponi」(石鹸じゃない石鹸)や

「sapone senza soda」(ソーダを含有しない石鹸)

について耳にする時は、以下の2点を常に考慮しておきましょう。


1 
「saponi non saponi」(石鹸じゃない石鹸)は、本当は合成洗剤の
 ことです。

複数の異なる物質(それには界面活性剤と発泡性物質も含まれます)を
混ぜてできたものです。

大抵、「saponi non saponi」といわれるものは、合法的に「石鹸」
と呼ばれるものとは何の関係もない代物です。

ましてや、私達が「ナチュラルな石鹸」と読んでいるものとは
全く違う物質です。


2 
「sapone senza soda」(ソーダを含有しない石鹸)についてですが

出来上がりの製品が苛性ソーダを含んでいないから といって
それを作る時最初にアルカリを使用しない という意味では
ありません。

アルカリには単に反応を起こす働きがあるというだけの
ことなのです。

言い換えれば

脂肪を不活性な塩(えん)すなわち石鹸に変化させる導火線の役割を
するのです。

そして化学反応が終わると、アルカリは完全に消え去ります。


アルカリの種類

ナチュラルな石鹸を作るのに、一番良く使われているアルカリは
二種類あります。

一つは、idrossido di sodio (水酸化ナトリウム)あるいは、
soda causica (苛性ソーダ)と呼ばれるもので、化学記号はNaOHです。

これは固形の石鹸を作るのに使われます。


二つ目は、drossido di potassio またはpotassio idrossido
(水酸化カリウム)と呼ばれるもので、化学記号はKOHです。

これは家でリキッドソープを作るのに使われます。


アルカリの購入

水酸化ナトリウム 苛性ソーダとも言いますが、これは雑貨屋や金物屋で
簡単に手に入れることができるアルカリです。

大抵は掃除と塗料をはがすのに使われています。

形は、薄片か不透明な白い小さな球状です。


苛性ソーダを購入する際は、容器を見て "idrossido di sodio anidoro al 98-99 per cento"(無水水酸化ナトリウム 98~99%)
の表示を確かめてください。

間違って"alla soda caustica" (苛性ソーダ入り)の商品を
買わないように。

それは、排水口のつまりを取るのに使う液体と 同じ用途のものです。

しっかりと苛性ソーダの純度が98~99%と書いてあるのを
確かめましょう。

"soda da bucato "(洗濯用ソーダ)の表記があるものも
避けましょう。

それは炭酸ナトリウム(Na2CO3)で、水酸化ナトリウム(NaOH)とは
別物で、石鹸はつくれません。


苛性ソーダについて

苛性ソーダを構成しているナトリウム、酸素、水素の原子を
一つにまとめているイオン結合は、とても不安定です。

それゆえに、苛性ソーダはミネラルに触れると、その大半と反応して
結合する傾向があります。

ですから、苛性ソーダを使うときは毎回必ず、メガネをかけて手袋と
マスクを忘れないようにしてください。

そして後のページに書いてある、安全の為の決まりを守ってください。

苛性ソーダは慎重に取り扱いましょう、だからといって、おびえて
縮み上がる必要はありません。





zzの感想

始めの頃、苛性ソーダが怖くてなかなか石鹸作りに踏み切れませんでした。

子供のころに読んだ「大草原の小さな家」シリーズで
(確か農場の少年だったかな)暖炉の灰を水に浸して取った「灰汁」と
ラードを煮て、石鹸を作るシーンを思い出して「ナチュラルなアルカリ」を
ググリまくった記憶があります。

この章の説明を読むと、まあ、そうなのかと思わなくも無いのですが
これだけ前置きしといて 反応が終わるとアルカリは消えるのです 
の一言で片付けるなよ。と、つい思ってしまいます。

ちょっと面倒でも化学式で、これが外れてこっちとくっついて
こうなるから、もともとのアルカリの形は残らないでしょ?

だから反応の終わった石鹸内では、アルカリは存在しようが無いのよ?


くらいの事書いて欲しかったです。

それと、石鹸じゃない石鹸は丁度こないだスーパーで見て
???と思ったばかりでした。

どうやら市販のシャンプーを固形にしたモノみたいですが

合成の界面活性剤に関する悪口詳細があまり無いのは、多分
筆者が、シンプルに石鹸の作り方の本を作ろうとしたからみたい
ですね。


以上、なーんか長くなりました
Commented by Nですが at 2009-05-31 17:45 x
石鹸にかける並々ならぬ執念を感じます。
この連休も石鹸製作に勤しんでいるのでしょうか。
今日はOSTIA海岸で航空ショー
夕方はジロラ、デ、イタリア(自転車レース)のローマ着
2日は軍事パレード
など 外にも面白そうなイベントが・・・
でも、石鹸つくりに没頭するのは
きっと家の中が快適な証拠なのでしょう
Commented by Nですが at 2009-05-31 17:48 x
すみません余計なこと言って
zzさんの信条
「楽しければ、それでよし」
でしたね
Commented by outlawroma at 2009-05-31 20:37
ふふ、全然余計なことじゃないですよ。
心配してくれて、ありがとうです。
ところで連休って、明日も休みなんですか?
昨日スーパーに行ってないので、ちょっと困りますねぇ。

世では色いろなイベントが催されているようですが、私の
脳内では常にイベントが起こりっぱなしなので、ついつい
行動範囲と内容が奇異になりがちです。
こうやって一般情報を教えてもらえると、ありがたいですね。
Commented by kumikumi0312 at 2009-06-02 07:39
勉強になりました~
苛性ソーダを扱うことに本当に抵抗があって
自然の石鹸をつくりたいのになんで苛性ソーダが
いるのかとか、苛性ソーダは劇物なのに
肌に悪くないのかとかいろいろ気になっていたので。。。
ありがとうございました~
今更なんですがzzさんのブログリンク貼らせてもらっても
いいでしょうか??
Commented by outlawroma at 2009-06-02 21:50
kumiさん
リンクは大歓迎です。好きに貼っちゃってください♪

苛性ソーダ、確かに劇物なので戸惑いますよね。
自然なものを作るのに、なぜ?と思います。
この本には、石鹸の歴史のところでなぜ苛性ソーダを
使うに至ったかが書いてあったので、近いうちにアップします。

確かに化学反応で作るのもなので、触媒作用を起こす物質は
ピュアなほうが、確実な効果を得やすいのでしょうけれど
私はこの説明だけでは、まだ腑に落ちません。

多分、自分で何を疑問に思っているのか、はっきり分かって
ないのです。
「一体何に対して生理的な抵抗を感じるのか」
を一度はっきりさせて、そこから情報を探してみたいと思います。
Commented by イタリア・ルニジャーナの風便り at 2009-08-05 21:36 x
石けん作りに興味を持ち、はたして苛性ソーダがイタリアで買えるのかしら、とググっていてこちらにたどりつきました。

雑貨屋や金物屋で売られているんですね。
大変参考になりました。

が、やっぱり私も苛性ソーダを取り扱うことに抵抗がありまして、夫にちょっと聞いてみましたら、

そんな危険なものを使ってまで石けんを作りたいだなんて、おまえ、正気か!?

みたいな反応が返ってきました・・・

ぜひ、手作り石けんを作って使ってみたいと思うのですけど、苛性ソーダが怖いのは確かなので、ちょっと二の足を踏んでしまいます。
Commented by outlawroma at 2009-08-05 23:05
はじめまして、こんにちは♪
確かに苛性ソーダと聞くと、何で安全なものを作るのにそんな危険なものを入れなきゃいけないの?って思いますよね。
色々調べて分かったことは、苛性ソーダを使わない固形石鹸は存在しないと言うことです。
売ってる石鹸、アレッポの石鹸とかもidrossido di sodioと言う名の物質が入ってます。一回スーパーとかで色んな石鹸を見ると分かります。これは、苛性ソーダの化学物質としての名前です。
液体のせっけん作りには苛性カリを使います。
いずれにせよ、石鹸と言うのは鹸化という化学変化を経て作られるものをそう呼びます。
鹸化は、油脂と強いアルカリが化合して起こるものです。
苛性カリや苛性ソーダを使わずとも、なにかしら強いアルカリが必要なのは逃れられない訳ですよね。
それ以外は全部合成の界面活性剤で作られています。これはつまり洗剤と同じ成分です。

本当にナチュラルを目指すなら、石鹸の美と言うのがあります。
これは植物の実で、泡が立って洗浄力があるものです。bioのお店で売ってるみたいで、洗濯に使うみたいです。
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by outlawroma | 2009-05-31 10:02 | せっけん作り | Comments(7)

楽しければ、それでよし。


by outlawroma
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