ふと、鏡を見て気がついたのですが
白髪が一杯です。
生まれつき髪の毛の色が茶色っぽい人は白髪になりにくい、と聞いていましたが
あれ、嘘ですね。
ふふ、41歳間近にして髪の毛の分け目には10数本の白髪が!
そしてどういう訳か、普段分けない部分をめくってみるともっと多い割合で白い髪の毛があります。
今年の夏前あたりまで、これを染めようかどうしようかかなり迷っていました。
世の中の女性は人種問わず、みんな若い頃から色んなカラーを楽しんでいるようですが、私はあまり興味がなかったので染める前に悩んでしまったのです。
が、
夏が過ぎ、改めて見ると明らかに増量&伸びている白髪たち。
不思議なもので、日々存在感を増してくるこの白髪にいつの間にか慣れてきました。
夏まであれほど髪をかき分けて鏡を凝視しては、胸がドキドキしていたのに
特になんとも思わなくなってしまったのです。
それどころか、若く見られても大して嬉しくない年頃になってしまったことを痛感するうちに、実年齢を意外なところでアピールしているこの白髪にちょっとした自信が湧いてきました。
日本ではおばはんが幅を利かせていますが、イタリアだって負けていません。
「シニョーラはリスペクトされる」と言う事実を、実生活で時折身を以て体験するようになったからです。
周りの人から見てみれば、特に女性やzzを実際より若いと思っている男性からは「えっ?」なんで染めないの?みっともない! と思われているのかもしれませんが
あの時思い切って染めないで、本当に良かったと思います。
もし綺麗に染めてしまっていたら、根元から白い毛が伸び始める度に数ヶ月前までzzをブルーにしていた、あの不快感から永遠に解放されることはなかったと思うのです。
また一つ、煩わしいコンプレックスが減ったのです。
こんなに素晴らしいことはありません。
一度自分の中で恐怖心が自信に変わってしまえばこっちのもの。
これから先はいつでも好きな時に何の躊躇もなく、染めることができます。
ちょっとしたパラドックスですが。
もしこの先染めるとすれば、それは白髪を隠す為ではなくて楽しむ為にということになるでしょう。
そうそう、前に一度大変美しい女性を電車で見たのですが
年の頃は45.6歳。
髪の毛はセミロングで、何かが特別な感じがしました。
あれっ?
と思って観察してみると、髪の毛の三分の一以上が白髪だったのです。
でも、真っ先に髪の毛に目がいかず、まず最初に彼女の美しさに目が行ったのです。
こんなに白髪だらけで美しい人がいるなんて!
zzはずっと彼女を観察し続け、何が周りに座っているおばさんと一線を画しているのかよくよく考えてみました。
そして気がついたことが一つ
彼女の髪の毛の艶です。
白髪が、そして残りの黒い髪の毛が、ツヤツヤだったのです。
まず美しさに、次に髪の毛に目が行くのですがそこで再びツヤの美しさに気を取られてしまうので、白髪が一杯あるなんて二の次になっていたのです。
zzは他にももう一人、大変魅力的な50代の女性を知っているのですが
彼女の髪の毛も白髪が一杯です。
そしてシワも沢山あるのですが、そんな彼女が薄っぺらいドレスをノーブラで、そしてレースのタンガを後ろから透けさせて歩く所を見たときは、一緒にいた彼氏と一緒にため息をついてしまったほどです。
普通なら見てる方が辛くなるか、単なる娼婦になってしまうところですが彼女の生まれ持った気品のようなものが、いやらしさを覆ってしまうのです。
彼女が貴族の出身ということも、関係しているのかもしれません。
そこはかとない自信と、若い頃に培ったいい女の実績がにじみ出ていて、ゴージャスとしか言いようがないのでした。
それぞれ生まれ持った外見の美しさが一つ一つ古びて剥がれ落ち、それまで中に培ってきた揺るぎない個性が外側に現れてしまうのが年を取るということならば
できればそれは魅力的なものであって欲しい
つくづく、年を重ねるということはなかなか緊張感に満ちた道だなぁと思わずにいられません。